こんにちは。院長の澤です。 7月といえば、夏野菜が旬を迎える時期ですね。
夏野菜のなかでも、 きゅうりは汗をかきやすい夏にぴったり。 約95%を水分が占めているので、 食べれば水分補給もできる食材です。
そんなきゅうりの魅力は、 ポリポリとした歯ごたえ! この歯ごたえを感じるためには、 お口の「ある組織」が深く関わっています。
◆歯ごたえを感じているのはどこ?
歯ごたえを感じているのは歯ではありません。 では、どこで歯ごたえを感じているのでしょうか? 歯ぐき?歯の神経?あごの骨? 実は… このなかのどれでもありません。
歯ごたえは「歯根膜(しこんまく)」という 歯とあごの骨をつなぐ組織で感じ取っています。
◆0.3mmにある大切な役割
歯根膜の厚さは、なんと たったの0.3mmほどしかありません。
とても薄い歯根膜ですが、 実は大切な役割があります。 それが「クッション」と「センサー」の役割です。
食べものを噛むとき、 歯にはとても強い力がかかっています。 歯根膜はその力をクッションのように 吸収・分散し、歯や骨を保護してくれています。 かたいものをガリッと噛んでしまっても 歯や周りの骨が無事なのは、歯根膜があってこそ!
また、歯根膜はセンサーの役割も担っており、 噛んだ時の「かたさ」や「感触」といった 微妙な刺激は、歯根膜が脳に伝えています。 そのおかげで、私たちは歯ごたえを感じられるのです。
他にも、食品のかたさに応じて 噛む力を調節することにも歯根膜は役立っています。
きゅうりのポリポリとした食感や 天ぷらのサクッとした食感を楽しめるのも 歯根膜があるおかげなのです。
◆歯根膜は一度失うと戻らない!
歯根膜は歯が抜けると 一緒にとれてしまいます。
たとえ、入れ歯やインプラントで 抜けた歯を補ったとしても、 歯根膜が元に戻ることはありません。
つまり、一度でも歯根膜を失ってしまうと、 ごはんを食べたときの食感も 一緒に失われてしまうのです。
そんな歯根膜を失わないために、 まずは自分自身の歯を守る必要があります。
「むし歯」や「歯周病」にならないために、 定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けて きれいなお口を維持しましょう!