こんにちは。院長の澤です。 秋が深まる10月は栗がよく採れる季節。
食べものとして親しまれる栗は、 染物の材料としても活躍します。 なかでもイガの部分を使うと、 落ち着いた風合いの茶色が楽しめるそうです。
ところで、イガのような尖ったものを触ると、 チクチクとした刺激を感じますよね? このような感覚があるのは、 皮膚に神経が通っているためです。
実は、私たちの『歯』にも神経が通っており、 「むし歯が痛む」のは、 この『神経』が関係しているのです。
◆むし歯が神経まで達すると…
むし歯ができた際、 ズキズキとしたひどい痛みを感じるのは、 むし歯菌が「歯髄(しずい)」と呼ばれる 歯の内側の神経組織を攻撃しているためです。
歯髄まで達するほど大きいむし歯ができてしまうと、 細菌によって神経が侵されてしまうため、 「歯髄をすべてとり除く処置」をしなくてはなりません。
◆できれば「神経」はとりたくない…
神経をとると、当然ながら 痛みを感じることがなくなります。
そのため、 一度「歯髄をとる治療」を経験すると、 次にむし歯になったときに、小さなむし歯でも 「痛いからすぐに神経をとってほしい!」 と考えてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、それは大きな間違いです!
なぜなら歯髄には、 「歯に栄養を運ぶ」という、 とても大切な役割があるためです。
歯髄をとってしまうと 本来なら運ばれるはずの栄養が失われるため、 歯は枯れ木のようにもろくなります。
そうなってしまえば、 欠けたり、ひび割れたりするなど、 確実に寿命が短くなってしまうのです。
歯髄(神経)があるおかげなのです。
◆歯髄(神経)が無くても「むし歯にはなる」!
歯髄(神経)が無くなると痛みを感じなくなりますが、 「むし歯にならない」わけではありません!
逆に言えば、歯髄をとってしまうと むし歯が進行しても気づくことができず、 気づいた頃には、もう歯がボロボロに… ということも珍しくないのです。
◆歯の寿命を延ばすために大切なこと
健康で丈夫な歯を残し、
一生豊かな食生活を送るためには、
やはり『神経を残すこと』は欠かせません。
もちろん、どうしても我慢できないほど痛むときや、 重度のむし歯にはやむを得ず神経をとることを ご提案させていただくこともあります。
しかし、 「神経をとればすべて解決!」
…というわけではありません。
むしろ神経をとった歯は、 むし歯の発見が遅れないように 定期検診で注意深く チェックする必要があります。
また、
「神経の残っている歯」がむし歯になっても、 定期検診に通っていれば早期発見ができるため、 神経をとらずに済む可能性が高まります。
お口には『むし歯』だけではなく、 『歯周病』をはじめとした 自覚のない病気が他にも潜んでいます。
定期検診は、そうした 「隠れた病気」を見つけ出す とても重要な機会です。
皆さまの歯を守るため、 ぜひ習慣づけていただければ幸いです!